【　私が土に帰るとき　】ギターソロ

　イギリス・バロック最大の作曲家パーセルのオペラ「ダイドーとイァネス」からの編曲。
カルタゴの女王ダイドーが自決する前にうたうアリア（ダイドーのラメントといわれる）。

　はじめにあらわれるラメント・バス（パッスス・ドゥリウスクルス）という
下降半音階にのって嘆きのうたが厳粛な雰囲気の中歌われる。

曲はこのバスがずっとどこかに聞こえるように設計されていて、
しかも歌のラインとずれたグループをつくっているのがさすがパーセル、という気がする。

単純な組み合わせではないのは、当然意図されたもので、どう解決しますか？　
というパーセルからの挑戦なのだろう。あまりにも美しいメロディを弾く楽しみと、
パズルを解いていく楽しみが同時にあるという曲と言えるかもしれない。

　バスとソプラノのくみあわせをしっかり聴きながら理解して弾いていくと、
何か新しい独特の世界（空間）が現れてくるような気がする名曲。