【 野ばら 悲哀に酔いて 】ギターソロ
野ばら;歌詞は大詩人ゲーテの手によるものです。
ゲーテ自身が恋愛を断ち切って勉学に励む覚悟を表しているとも言われていますが真偽のほどはわかりません。
シューベルトがつけた曲(メロディ)はチャーミングで、そんな気配は見受けられず、
そんな裏などどこ吹く風。無邪気なようにも思えます。
歌詞があると1番と2番は表現が必然的に変わりますが、
器楽では注意をおこたるとついつい同じものの繰り返しになってしまいます。
何が変えられるのかを考えてアイディアを練りましょう。時間をかければ、きっといくつも出てくるはずです。
考えたアイディアは固定的なものにせず、貯金しておいて、
その時そのときアドリブで使えるようにしていく、というのがフレッシュな表現につながることになります。
悲哀に酔いて; 歌詞はゲーテ。この曲はシューベルトがゲーテに送った曲として
「野ばら」「魔王」などとともにリストにあるのですが、あまり詳しい資料がありません。
最初にある記号 ”etwas geschwind”はドイツ語で「すこしはやく」。
歌詞の内容は「枯れてくれるな、愛の涙よ」ですが、その内容を強い口調で言っているようなリズム感が特長です。
十六分音符をスラーで繋げなかったのは意味があるのです。和音の変化にも敏感になりましょう。
15小節に出てくるナポリの和音は絶妙のタイミングの使い方で感心してしまいます。
こういう音が無頓着にならないように気をつけて弾くことでさらに上のレベルが狙えるようになります。
(2017-8-12・大谷 環・記)
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