オオタマル 7弦ギター Ohtamaru-7gen
1970年静岡県出身。1988年、ギタリスト 廣木光一氏に師事。
ジャズ、ブラジル音楽、アルゼンチンタンゴ、即興音楽などなど様々な音楽と出会う。
1995年、加々美淳をリーダーとする"シャカラ"にメンバーとして参加。
サンバなどのブラジル音楽と親しむ。
アルバム"ソリダゥン"をリリース。全国的に演奏活動も展開。
2003年、ブラジル、リオデジャネオロ市に渡りさまざまなミュージシャンと共演を重ねる。
特にショーロでは、7弦ギター奏法の大家 DINO(ヂノ)、
およびホジェリオ・ソウザ、
パーカッション奏者ジョルジーニョ・ド・パンデイロ各氏などより指導を受け、
その後も名門ショーロ・グループ、"エポカ・ヂ・オウロ"のメンバーとの親交も深い。
帰国後、日本でのブラジル音楽 ショーロ の普及発展のためのセッション、
ホーダ・ヂ・ショーロ(ショーロの輪)を発足、以後10年に渡り開催、
後進の育成や演奏家の交流にも力を注いでいる。
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2005年、本格的にソロギターの活動も開始、
7弦ギターの可能性もより広く、深く追求している。
2009年、山内三咲(vo)とともにボサノヴァ・デュオ『Hug a Tree ハグアツリー』を結成。
2010年、アルバム『Hug a Tree ハグアツリー』<BQ Records>をリリース、
独特なタッチの和声アレンジと有機的なアコースティックサウンドが好評を得る。
2012~2013年、音楽ライターのケペル木村氏とともに『ブラジル音楽おもしろ講座』、
ブラジルの国民的作曲家で詩人のノエル・ホーザなどを研究し紹介する、
教養ライヴ・イヴェント『サンバの詩学』など、
ブラジル音楽の啓蒙活動も積極的に展開。
『オオタマルのショーロ教室』も開始。
経験に根ざしたショーロをより深くわかりやすく解説し、定評がある。 |
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7弦ギターとは?
●ポルトガル語ではヴィオラゥン・ヂ・セッチ・コルダス(Violao de sete
cordas)と呼ばれていて、ブラジルのサンバ,ショーロ,フォホー等の伝統音楽でしばしば伴奏楽器として登場します。
●ブラジルの7弦ギターには,おおまかに分けてスティール弦を張るためのタイプ,ナイロン弦を張るためのタイプと2種類あります。使用される弦も人によってまちまちで,ナイロン弦,ニッケル・フラットワウンド(この場合7弦目はチェロのC弦),コンパウンド弦・・といろいろですが,1,2弦目はツメで弾かれるためナイロンを使用することが多い。チューニングは1~6弦は通常の6弦ギターと同様。7弦目は,Cに調弦されることが多く,場合によってはBにも調弦が可能。アンサンブルの中で,低音部を強調するために,しばしば”デデイラ”とよばれるサム・ピックを右手親指に,装着して演奏されます。伴奏をしながらメロディラインに絡むように対旋律を奏でるこの奏法はブラジル音楽独特のスタイルでしょう。
●起源がロシアであるともフランスであるともいわれますが,定かでありません。ピシンギーニャ(ショーロの作曲,演奏家)の楽団がフランスに遠征したときに楽団員が持ち帰ったという説があります。確かにマカフェリ・タイプ~鉄弦を張ったクラッシク・タイプ,ジャンゴ・ラインハルト等の使用で有名~のギターで7弦ギターが作られていたそうで,この説は有力かもしれません。
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●20世紀初頭にはすでに伝統的な室内楽”ショーロ”のなかで,伴奏楽器として使われ始めます。
●初期の録音では,オルランド・シルバ(歌手)の伴奏で”Tootie トゥーチー”という奏者が知られています。アンサンブルを重視したシンプルなベースラインで演奏されています。同時期に”Dino ヂノ”(今もご健在です)という奏者が登場します。ヂノの奏法は対照的で,表情に富んだ,対旋律へと発展します。そのシンコペーション,グルーヴ感はまさにカリオカ(リオデジャネイロ人)ならではのものといえます。それが更に,ハファエル・ハベーロ,マウリシオ・カヒーリョ等に受け継がれ現代的に発展しています。
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DINO 7 Cordas(7弦のヂノ)と,
リオデジャネイロにて。 |
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