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C D 】相川 達也 Tatsuya Aikawa
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相川達也 |
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一瀬純一、中林淳眞、エルネスト・ビテッティ、ホルヘ・アリサ、ホセ・ルイス・ゴンサレスの各氏に師事。 1975年よりスペインに留学。スペイン王立マドリッド音楽院ギター科を卒業後、渡米。ニューヨークのマンハッタンギター音楽院教授に就任。 1984年帰国。以後毎年春に東京、秋に甲府で定期リサイタルを開催。
マドリッド音楽院在学中より演奏活動を開始し、これまでにスペイン、イタリア、アメリカ合衆国、台湾、インドネシアなどで演奏し、好評を博す。
1996年3月、CD「ラ・ポエシア」を発表。
2005年6月、CD「リサイタル」を発表。
2020年3月、CD「山と風と湖と」を発表。
独奏および室内楽の分野で国内外で活躍中。
山梨県甲府市在住 相川達也ギター教室主宰 |
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◇山と風と湖と/相川達也
Mountains, Wind and the Lake / Aikawa Tatsuya
¥2,200 <ギターソロ > |
2020年1月16, 17日 八ヶ岳伝道所礼拝堂にて収録
Recorded at The Chapel of The Yatsugatake Church,
on 16 & 17 January 2020
相川達也(ギター) Aikawa Tatsuya(guitar)
使用楽器:M. G. コントレーラス作10弦ギター(1979)
弦:アランフェス
Instrument: M. G. Contreras 10 strings guitar (1979)
Strings: Aranjuez |
楽譜「山と風と湖と」
佐藤弘和;作曲(販売終了いたしました) |
10弦ギターのための作曲です |
楽譜には6弦ギター用のための箇所も付されています |
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1・F.ダ・ミラノ: リチェルカーレ
Francesco da Milano(1497-1543):
Ricercare
2・ J. S. バッハ: シチリアーナ
Johann Sebastian Bach(1685-1750):
Siciliana
3・J. シュトラウス2世: 美しく青きドナウ
Johann Strauss II(1825-1899):
An der schönen, blauen Donau
4・ カタルーニャ民謡: 聖母の御子
Cançó popular catalana:
El Noi de la Mare
5・ カタルーニャ民謡: 鳥の歌
Cançó popular catalana:
El Cant dels Ocells
6・ カタルーニャ民謡: クリスマスの夜
Cançó popular catalana:
La Nit de Nadal
7・ J. コズマ: 枯葉
Joseph Kosma(1905-1969):
Les Feuilles mortes
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8・ G. ダグラス&G. ワイス: この素晴らしき世界
George Douglas(1922-1996) George Weiss(1921-2010)
What a Wonderful World
9・ 星野雅司: 前奏曲イ短調
Hoshino Masashi(1942- )
Preludio en La menor
10・中林淳眞: 正調五木子守歌幻想
Nakabayashi Atsumasa(1927- )
Fantasía por la canción de cuna de Itsuki
11・佐藤弘和: ギターソロのための 山と風と湖と
「雄大な山~流れゆく風~風のつぶやき~
湖のさざ波~風の間奏曲~湧き立つ雲~
山の神秘~野を渡る風」
Sato Hirokazu(1966-2016):
Mountains, Wind and the Lake for guitar solo
Great Mountains/Blowing Wind/Murmurous Wind/
Ripples in the Lake/Intermezzo of Wind/
Moving clouds/Mystery of Mountains/Wind across fields
12・F. ダ・ミラノ: リチェルカーレ
Francesco da Milano(1497-1543):
Ricercare |
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◇このアルバムのこと 相川達也
今回のレコーディングのための選曲では、委嘱作品と献呈された作品を収録すること、
そしてこれまでの人生の中で印象に残ったり特に好きになった音楽、大切にしてきた作品を取り上げることにしました。
録音は、八ヶ岳にほど近い教会の、小さな礼拝堂で行われました。
豊かな自然に囲まれた、静かで落ち着いた空間が心地よく、
柔らかな暖かさの薪ストーブの、時々はぜる薪の音を聞きながらのレコーディングとなりました。
この環境にふさわしい、自然な音楽の流れを何よりも大切にして仕上げました。
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Recording & mastering engineer: Iwama Hitoshi
print works”dream-II” photos & total design: Utsumi Hitomi Portrait
photo: Sakata Naoya
Special
thanks to Yamamoto Mamoru |
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*リチェルカーレ
マドリッド音楽院での音楽史の授業の中で、中世からルネッサンス時代のポリフォニー(多声音楽)作品に沢山触れ、それまでほとんど耳にしたことのなかった新鮮な響きに感動しました。ダ・ミラノは16世紀のイタリアを代表する大変優れたリュート奏者で、ほとんど二声時々三声でシンプルに書かれたこれらのリチェルカーレは対位法音楽の魅力を存分に伝えています。
*シチリアーナ
バロック音楽を代表する作曲家のバッハについては、改めて説明する必要もないでしょう。シチリアーナはイタリアのシチリア島起源の、舟歌のリズムを持つゆったりとした舞曲です。この曲はバッハが無伴奏バイオリンのために作曲したソナタ第1番に含まれています。多声的な曲の構造がギターにとても合っていると思い、若い頃から多くの先生方にレッスンしていただきました。
*美しく青きドナウ
多分まだ小学生だった頃、ディズニー映画の「青きドナウ」や「ウィーンの森の物語」を見て、ウィーン少年合唱団の歌声やヨハン・シュトラウスのワルツが大好きになりました。ギターはウィーンでも独奏はもとより、小さなアンサンブルや歌の伴奏などで、大変好まれた楽器でした。オーケストラでのウィンナワルツの演奏はとても素晴らしいですが、ギター独奏でも楽しめるのは大変喜ばしいことです。 |
*聖母の御子、鳥の歌、クリスマスの夜
スペインは民謡や民族舞曲が盛んな国で、人々が集まると歌ったり踊ったりして楽しんでいます。スペイン留学中の1981年、バルセロナで開かれた国際合唱祭に、マドリッド大学合唱団の一員として参加する機会に恵まれました。各合唱団のコンサートの他、それぞれの国の曲を習うためのミニ講習会があり、そこで何曲かのカタルーニャ民謡の指導も受けました。聞き慣れていたギター編曲の響きとはまた違った、美しいハーモニーが印象に残っています。今回はクリスマスキャロルを3曲収録しました。
*枯葉
シャンソンを代表する一曲で、多くの歌手のレパートリーとして親しまれている名曲です。最初にギターの手ほどきを受けた一瀬純一先生のアレンジ。先生のレッスンは、カルカッシ教本やソルのエチュード集を使ったオーソドックスな内容でしたが、ご自身はモダンギターと称して、よりポピュラーな親しみ易い曲を演奏するのがお好きでした。僕はクラシック一辺倒で長い間弾くこともなかったのですが、数年前から先生に感謝の気持ちを込めて、このアレンジを演奏しています。
*この素晴らしき世界
美しいメロディーとシンプルな歌詞、そしてサッチモ(ルイ・アームストロング)の素晴らしい歌声がひときわ印象的な曲です。初めて耳にしたのはいつ頃なのかはっきり覚えていませんが、ずっと歌い継がれて欲しい名曲だと思います。ここに歌われているような世界が実現するようにと祈りつつ、折に触れてコンサートで弾いています。
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*前奏曲イ短調
作曲者の星野雅司さんと初めて出会ったのは、多分1970年代の後半だと思います。二人とも同じ頃マドリッドに住んでいて、その時以来の長いお付き合いです。僕が日本に帰ってきてからも、スペインから一時帰国の度に尋ねて来てくれます。プレゼントしてもらったこの曲は、小品ですが不思議な浮遊感があり気に入っています。
*正調五木子守歌幻想
熊本県五木村の子守歌は、どなたも良くご存知だと思います。今もここを訪れると、一般に流布されているのとは違う、正調五木の子守歌を聴くことが出来ます。このギター曲は正調子守歌のメロディーをもとに、自由な発想で作曲されました。家内が五木村と同じ球磨郡の多良木町出身であること、そして甲州縁故節(島原の子守歌としてのほうが全国的には有名ですが)のメロディーが引用されていることに、中林先生の粋な計らいを感じ、感謝しながら演奏しています。
*山と風と湖と
親しい友人だったギタリスト・作曲家の佐藤弘和君は、2016年12月に50歳で亡くなりました。若い頃はよく甲府に遊びにきて、一緒にあちこち出かけたものでした。「10弦のために何か書いてよ」とお願いしてから数年が経った1997年8月のある日、この曲の楽譜が送られてきました。山梨の自然や風物をイメージしたいくつかのエピソードが連続する一種の描写音楽で、中に含まれる「風の間奏曲」は単独で演奏されることも多いようです。繰り返しステージで演奏することによって、作品が少しずつ手の内に入ってきたように感じています。2006年には通常の6弦ギター用の版を添えてホマドリームから出版されました。
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