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ギアのプレートをヘッドに留めるネジ穴の補修、ヘッド部分に割れがないか、ネックと
ヘッドのジョイント部分の確認なども行います。写真はかなり古いギターの単式ギアを現在の
3連ギアに交換するため、サイズが合わないので穴をあけなおしているところ。
高価な楽器の場合には「ロ-ラーの穴・6箇所」をすべて木材で埋めてから開けなおします。
古いギアとまったく同じ形式・モデルのギアを取り付ける場合は、ネジ穴の位置もおそらく
同じなのでご自分でもできますが、サイズが違う場合・ネジ穴の位置もちがう時はやはり
ネジ穴を埋めて、ネジをうつ前に下穴をあけるようにしています。
弦を通すパイプ(ローラー)の穴のあけ直しが必要な時はやはりプロの手にゆだねたい |
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このギターの場合は残念ながら修理はむずかしい。
ギターを倒したか、
または激しくぶつけたため。
構造上はきわめて頑丈な部分であり、かつ大事な箇所。接着剤がニカワではなくボンドが使われているので、板の両面が不規則に割れてしまっている |
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こちらは高価な輸入ギター。接着面が剥がれているだけなので、修理は可能と判断。接合面が長い時間を経て自然に剥がれる可能性もある。ギア(糸巻き)の軸~3弦と4弦~が曲がっているので、ギターをぶつけた、あるいは倒したことも原因の一つと思われます |
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専用のネックヒーターを使用。順反りや逆反りの場合、あるいは部分的な調整もできます。
ギターのネックや指板の材質、反りの程度にもよるが、
2週間~3週間ほどの時間が必要
① ヒーター修理は=ネック、指板の反りが顕著で、
骨棒の上・下(上駒=ナット、下駒=サドル)を削っても弦高を調整できないときに行う
② ヒーター修理は2回まで=ネック、指板の材質・強度にもよるが、
修理後・半年~数年ほどでまた反ってしまう場合がある
③ フレットの交換と指板の調整を伴う場合=フレットがかなりすり減っている時には
ヒーター修理の際、同時にフレット棒の交換を行い、
合わせて指板も薄く削るなどの調整も行いたい
④ いずれの方法でも対応ができない段階=指板の交換も選択肢になる。
かなりの費用がかかるので、充分なご説明・ご相談が必要です
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ブリッジ(表板の弦を巻きつける部分)の「はがれ」の補修。ブリッジと表板に隙間がある場合、音がわるい/雑音が出る原因になります。剥がれかかっていても使えないことはないが、完全に取れてしまう時にブリッジや表板が割れたり、表板に穴があく・写真のように表面部分をむしりとってしまうなどいたましい状態になることがあります
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①はがれかかったブリッジ
内部をクリーニングし(ホコリや接着剤のカスを取り去る)、
ニカワを流しいれて再度接着、写真のように固定する。
ニカワが乾き、お渡しできるまでに10日~2週間。
※ハガレかかったものを強制的に取り外す修理は原則としてお引き受けできません
②完全にはずれたブリッジ
多くはゆがんでいるので薄く削り、ニカワで貼り付ける。
ブリッジの反り・歪みがひどい時、割れがある場合は、
新たに同じ形状のブリッジを作製する。
これもかなりの費用がかかるのでご相談が必要です
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こちらはギターを取り落として表板の低音側が数か所割れたもの。写真ではわかりにくいが、長さ10数センチの割れもあります。修理方法は・・・表板の塗装をそぎ落として/割れ部分の補強に表板の裏側から薄い木片をニカワで留め(多数の箇所)/割れにもニカワを流しいれ/充分な時間をとって養生し/これから塗装にかかる段階 |
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これは運送中の事故で破損。
ここまでくると「割れた」
という段階ではない。
横板まで破損しており
全体が変形しているので残念ながら
修理はできません |
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表板の力木のはずれ(剥がれ)は雑音の原因になる。裏板の場合は、
音抜けのわるさ(スキッと鳴らない?)一因。
放置しておくと板の割れやあばれにつながりかねない。
ゆがんだり、板が波を打ってしまうこともあります。
表板(松、杉)に比べ裏板(ローズウッドやハカランダ)は油分が多いので
力木ハガレの原因でもある。すべてサウンドホールからの作業。
鏡と照明器具を用い、力木をニカワで固定します。
写真はイメージ |
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