CD発売記念 櫻田亨 リサイタル
フランス・ルネサンスのギターとリュート
Le Roy & Attaingnant
「ちょっと楽器が弾けたら楽しそう」何気なく入った楽器屋さんで「やさしく簡単」「誰でも弾ける」などのうたい文句に誘われて、思わずその楽譜を手にした経験がある人も多いのではないでしょうか。
このコンサートでは16世紀フランスの楽譜出版者、アドリアン・ル・ロワ(1520c-1598)のギター、そして、ピエール・アテニャン(1494-1551または52)のリュート音楽を演奏します。歴史的、学術的云々という楽曲ではなく、気楽なギター・リュート小品集です。
グローブ音楽辞典によれば、1537年にアテニャン、1553年にル・ロワが「王室の楽譜印刷・出版家の称号を得た」とあります。今風に言えば「フランス王室御用達」のありがたい楽譜ということになるのでしょうか。
ル・ロワの楽器は4コースギターです。コンサートのとき「♪ポロローン」と開放弦(左手を押さえない)を鳴らすと、会場から思わず“笑み”がこぼれることがあります。ウクレレと同じ調弦の音が鳴り響くからでしょうか。「複弦のルネサンスウクレレ」と呼んだ方がしっくりくるかもしれません。ル・ロワの楽譜の表紙にある挿絵を元に復元してもらった楽器を弾きます。リュートはリアルな絵画を参考に復元してもらいました。ハンス・ホルバインの絵画「大使たち」(1533年)に描かれている6コースリュートです。複弦の4~6コースをオクターブに調弦しています。短い弦長で音の立ち上がりが早く、明るく華やかな響きが特徴です。アテニャンのシンプルな作風にぴったりな楽器です。
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